燃えたくらいでうろたえない
20ha project あずまです。
今回のジャカルタ出張は、インドネシア リアウ州でアスクルが地域コミュニティと共同で行う保護区の森林修復再生の今後を現地カウンターパートと話し合うことが目的のひとつでした。
当日の話し合いで、カウンターパートである森林管理のプロフェッショナル(現地での私の先生)がまず伝えてくれたのは、
"One of the area of 20ha project in GSKBB had burned."
Burned?????
乾季にはいり、今年はリアウ州の火災が長く続き、その影響を20ha projectも受けたということです。
私たちのプロジェクトサイトだけが安全であるという保証はどこにもありません。それを忘れていました。
国立公園も保護区も自然林も産業植林地も火災の脅威にさらされています。
消防署など見たことはありません。事業者は地域の消防団を持っています。
パルプ材植林地において、火入れをするオペレーションは存在しません。火入れは違法です。
農業においては焼畑は伝統的農法のひとつです。焼畑には、土壌の殺菌と中和効果があります。
インドネシアにおいては農業を生業とするひとたちが、全体の40パーセントを占めるといわれます。
事業者の活動とその地域は常にこのような脅威と隣り合わせであり、それとどう共存するかに一生懸命取り組んでいます。
脅威を排除するのでなく、森林破壊や減少の真因となる人間の生活をいかに満足させられるかに取り組むのです。
そもそも、紙パルプ産業の存在が悪だという考えは、事業者の役割を理解しない偏った考え方だと私は思います。
出張に同行していた当社社員は、森林火災、焼畑、消失という言葉を聞いて驚き、私たちのプロジェクトサイトの一部が消失したことに狼狽えていました。
知識や経験の不足は、恐れに支配されてしまいます。恐怖は暗黒面に繋がっていると、マスター・ヨーダも言っています。ありすぎて、落ち着き過ぎるのも問題です。
20ha projectは、その拡大に取り組もうと考えていましたが、一部消失がまた大きなヒントを与えてくれました。
現地での私の先生は、事象に囚われるな、大きな視野で考えよという機会を与えてくれました。
20haの維持管理は、現地カウンターパートに引継ぎ、私たちはこの経験から、新たな枠組みに参画することにしました。
ニッポンに帰ってきても、アタマの中はインドネシアの森のことでいっぱいです。
大きな枠組みに参画するために、また近いうちにインドネシアに行くことになるでしょう。
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Many issues, many challenges.
Shunichiro AZUMA in Tokyo
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