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2015年11月18日 (水)

橋ができていました

1box for 2trees & 20ha projectあずまです。
私たちは2010年から、アスクルオリジナルコピー用紙の原材料地であるインドネシア スマトラ島へ定期的に足を運んでいます。

そこでは、現地パートナーの協力を得ながら、ふたつの活動をしています。
ひとつは "1box for 2trees" もうひとつは"20ha project"。

1box for 2treesは、インドネシア製のアスクルオリジナルコピー用紙の原材料を、目と耳と鼻を使い、たくさんのコミュニケーションを通じて確認をする活動です。

20ha projectは、インドネシア スマトラ島の自然林を修復再生する活動です。
これがとても難しいというか、上手くはいかないのです。

自然林が消失するのは、自然災害もありますが、ほとんどは人間が原因です。
意味も意図もなく、自然林を人間が破壊することはありません。
経済的な理由から、自然林を破壊するのです。
「破壊」と書いていますが、それはこちらからの一方的な見方です。
実際は、自然林を開墾し農地を開発しています。

農地を開発する理由はなんでしょうか。それは収入を得るためです。
収入を得る理由はなんでしょうか。それは食べるため、家族を養うためです。
農地を拡大する理由はなんでしょうか。それは今までよりも高い生活の質を求めるためです。

以前にも触れましたが、インドネシアで起きている森林火災の原因は、ほとんどが農地の開墾を目的とした焼畑だそうです。
焼畑は、重機を使用するよりも安価で手軽な伝統的な開墾方法だそうです。
では重機を提供すれば焼畑は減るのでしょうか。
農業はもうやめて、働きに出ればいいのでしょうか。
重機を利用するにはカネが必要です。
働きにでるには、働き口が必要です。

アスクルのコピー用紙の製造委託先となるインドネシアの会社は、現地で8万人近い雇用を支えているそうです。

アスクルがインドネシアからコピー用紙を調達することは、産業による雇用創出を支えていることにも繋がっています。
「1box for 2treesは現地の植林活動と繋がっています」とお客様にお伝えしていますが、現地の植林会社、パルプ製造会社、製紙会社ではたらくたくさんのひとたちとも繋がっているのです。

現地パートナーと共に、森林修復再生を目指す "20ha project" の現場はスマトラ島にあります。
2010年から通っている現場への移動には、自然保護区に流れる川を利用するた
め、ボートが必要です。

昨年はなかったのですが、今年はその川に木製の橋が架かっていました。
その橋の向こうには、新たな農地が開墾され、アブラヤシが植わっていました。
アブラヤシは単位面積当たりの収穫高が農作物の中ではいちばん高く、インドネシアでは人気の作物です。
初めての収穫から、アブラヤシの樹は35年間収入をもたらしてくれます。
2週間ごとに収穫が可能で、収穫したアブラヤシの房を道路わきに出しておけば、工場に運ぶクルマが集荷してくれます。

生活のため、食べるための農業です。
それを止めなさいということは簡単です。

現地では今、焼畑が延焼しないように泥炭地の水位を上げる活動が行われています。
泥炭地の水路を堰きとめ、小さなダムをつくっています。

乾燥した泥炭は、燃える炭です。湿度を高くすれば火がつきにくくなります。
しかし、水位を上げるとパルプ材の産業植林には悪い影響がでます。
どうすれば課題が解決できるのか、自ら考え、自ら行動するひとたちは尊敬に値します。
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Shunichiro AZUMA in Tokyo

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