木を植えれば、森林再生になるのか?
1 for 2 あずまです。
アスクルは2011年12月から、面積はととても小さいですが、インドネシアの森林を修復再生するプロジェクトをスタートさせています。
このプロジェクトは、アスクルが資金を提供してプロジェクトオーナーとなり、地方政府や現地環境NGO、そして私たちのビジネスパートナーである現地製紙会社と進めています。
「木を植える」 というと聞こえがよいのですが、木を植えることで問題は解決しないと思っています。
課題解決に、「木を植える」 ということが貢献できるのはほんのわずかであり、森から木がなくなってしまう「原因」を現実を避けずに、きちんと特定しなければなりません。
昨日購入した本は、このような文章で始まっていました。
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アジアの森を守るために何をしたらよいのか。
このような問いかけに、あなたは何と答えるだろうか。
「木を植える」 「森林保護区を作る」 「違法伐採を止める」 「山火事を防ぐ」 「森林再生技術を確立する」
など、いろいろな考えがあるだろう。
私はこの問いかけに対して、「村人の権利を守る」と答えたい。
そう言うと、「えっ、村人の権利? 何それ?」という声が聞こえてきそうだ。
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森を守る、森を再生するという活動は、世界中でたくさんの企業や団体が取り組んでいます。
莫大な資金を用いて土地を買い上げ、保護区に設定したが維持管理が大変だとか、
国立公園内に違法に住んでいるひとたちを、軍隊をつかって強制的に追い出したとか、
不法占拠や違法伐採を摘発するためのパトロール隊を編成するとか・・・。
これらは、すべて 「事後」 の対応です。
人間は、未来の約束をされたところで、なかなかピンとはこないと思います。
日々の生活が豊かになったり、改善されたり、またはその見通しが立ったりしないと安心感は生まれません。
自然林にも、パルプ材の開発地として認可が下りています。
開発の許可があるので、事業者は開発をしますが、その土地にも既に人が住んでいるケースがあります。
その場合は、誰の権利が優先されるべきでしょうか?
政府が規定するガイドラインはありますが、それを遵守するだけで満足が得られるのでしょうか。
私たちの理解や常識は、あまり役には立たないことがほとんどです。
このようなことを考えながら、次回の出張の準備をしています。
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1 for the forest and another 1 is for the people in Indonesia.
Shunichiro AZUMA
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