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2013年4月14日 (日)

森林保護と権利、人間の生活

1box for 2 trees & 20ha project あずまです。

私たちのサプライヤーでありパートナーであるインドネシアの製紙メーカーが、自然林からの原材料調達を即時停止する、すなわち自然林の伐採を止めることを宣言したのは、2013年2月5日です。
自然林からの原材料調達は、政府から土地利用の操業許可を得て、伐採の際も毎年の届出と納税が必要です。
にも関わらず、自然林からの原材料調達を停止し、すべての原材料を植林木にする理由は、環境NGOをはじめとするステークホルダーの意見を取り入れたことに他なりません。

この宣言が、様々なメディアで(ニッポンではない)報道されてから、しばらくして、インドネシアの環境NGO連合から、次のような指摘があり、いくつかのメディア(これまたニッポンではない)や環境NGOのウエブサイトで公開されました。

『誓約は守られておらず、依然として重機が使用される活動が続いており、自然林は伐採されている。』

私たちのパートナーの誓約が確実に実行されるよう、事前の調査や調整、仕組みづくりに関与している第三者となる環境NGOが、この指摘の事実関係を調査するために、すぐに現場に飛び、調査を行い、その結果のレポートを公開しました。

レポートに書かれた結果を要約すると、
『指摘の土地はアブラヤシ植林地と重複して開発許可が行政から発行されており、いまだ政府による解決に至っていません。 森林伐採中止宣言への違反は認められませんでした。』
詳しい内容は下記に公開されています。
http://www.tft-forests.org/news/item/?n=17098

操業に必要な届出や文書、現場の測量や目視によって行われた今回の確認により、先に報道された環境NGO連合からの指摘は、不十分な確認による情報提供であったことになります。

さて、ここでこの状況をどう捉えますか?
地方政府によって、管轄が違うなどの理由で同じ土地に重複して許可証が発行されるケースがインドネシアではあるとよく聞きます。
ガバナンスの問題?、東南アジアの途上国特有の土地利用の課題?、指摘をするだけで課題の解決に興味がない、関与しないひとたちはニッポンもたくさんいますね。

それに、共通の目標は「自然林の保護」のはずです。

別の企業が開発の権利を取得しており、結果として開発がされてしまう現実をどう考えているのでしょうか。

全てが、出来レースのようです。

そして、ネガティブな要素やニュースだけが際立ち、現場の苦労や努力は、所詮計画だとか実績がでてからと軽く扱われ、注目も評価も全くされないのです。

報道の役割とは一体何なのでしょうか。

情報を集める側、その情報を世の中に発信する側、そしてその情報を受け取る側にも問題があると考えます。

ゴミのような情報が溢れ、受け手は判断がつきかねるため、横や後ろばかりを気にする世の中になってしまいました。

これは、便利や快適さばかりを求めた代償なのでしょう。

このままでは、よくないですね。

私たちは、事業者です。
品質が高くて、お求めやすい価格でお客様にご提供できるコピー用紙をインドネシアから調達しています。
そのサプライチェーンに存在する課題を解決することが仕事です。
社会、経済、環境のバランスを取ることは必要ですが、林産物の恵みを受けて人間は生活しています。

今年はREDD+FSへの参画や環境植林の拡大、社会課題解決のための新プロジェクト立ち上げ、新サービスの開発など新しい活動が山盛りです。
プロジェクトメンバーが減っても、仕事量は増える一方です。

データ解析ではできないことがあります。
だから人間が存在するのです。
3日間もカイシャに監禁されると、思考回路が内向きになってしまいます。

そして、休日でも思考に休みはありません。

Do you know what's  going on the ground?
出かけるしかないですね。
---
Shunichiro AZUMA in Tokyo

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