植林木から作られる紙の原材料を写真でみると
1box for 2trees & 20ha project あずまです。
紙にはいくつか原材料に種類があり、大きくはこのふたつに分けられると思います。
1. 古紙を原材料に利用しているもの
2. 木材を原材料に利用しているもの
1 は、消費されて回収されている紙や、印刷工場などで発生する損紙などが該当します。
2 は、いくつか種類があり、下記が主なものです。
①自然林
②植林
③間伐材
④廃木材(建築残材など)
①は見ての通り、自然の森林を伐採して原材料にすることです。どう考えても、イメージが悪いですね。でも、世界中の植林地は、自然林から植林地に転換されています。
②には、FSCやPEFCを始めとした森林認証制度があり、そのほかにも各国独自の森林認証制度があります。最近は、服の紙タグや食品容器などによくFSCのマークがついています。企業の広告宣伝(イメージアップ)に利用されているのだと思います。
③は、森林を健全に保つために必要な間伐から生まれた材料です。量的にはそう多く出ませんので、クレジット方式で運用されているものがほとんどです。
④は、様々な木材が有効利用されているようです。
アスクルでは、お客様のご要望にお応えできるように、様々な種類のコピー用紙をそろえています。その中でアスクルオリジナルのうち、インドネシア製のコピー用紙は、②の植林木を使用しています。
FSCやPEFCのような森林認証紙ではありませんが、アスクルの調達方針に基づき、トレーサビリティや第三者監査により信頼性を確保した商品です。
今回は、紙の製造の最上流である、原材料の写真をいくつかご紹介いたします。
▲植林をするのですから、苗を育てます。これは、ユーカリの苗です。苗は研究開発施設で、成長率が高く、病害虫に強いものがつくられています。
▲植えられた苗は、2年ほどで、高さ30メートルの森になります。早成樹であるユーカリは、インドネシアでは今は5年程度で伐採(収穫)されるようです。
▲植えた苗に定期的に肥料を与えたり、下草を刈り取っったりする作業は、すべて人出で行われています。大変な作業です。スマトラ島は赤道直下です。
▲伐採(収穫)した木を、20トン以上積んだトラックが、乾いた植林地の道路を走っていきます。
伐採は、重機を使って行いますが、その写真はあまりにもグロテスクであり、紹介されることはあまりありません。そういったことは、紙の原材料だけではなく、産業界ではよくあることだと私は思います。開発=悪と見えてしまうのは残念なことです。
▲伐採した植林木は、パルプ製造工場に搬入されます。これは、そのストックヤードです。この木材をチップ(木片)にして、すりつぶしてパルプをつくります。
このストックヤードの規模感は、初めて見る方には衝撃的だと思います。製紙メーカーは、自らこのような写真を公開することはないでしょう。 なぜなら、あまりにもイメージが悪いからです。悪意をもったひとは、この写真に自分たちに都合がいい説明文をつけるでしょう。これらの木はすべて合法な植林木であり、持続可能な原材料と言えます。(写真の真ん中にいるのは私です)
アスクルは、2010年10月からは、"1box for 2trees" というコンセプトのもとで、植林現場に入り込み、持続可能な植林を確認しています。ここでは、現地を取り巻く様々な課題に目を向け、どうすればサプライチェーンがその課題解決に役立てるかという視点で活動しています。
私たちがしていることは、社会貢献ではなく、原材料調達段階での課題解決の取り組みです。
まだ、3年が経っただけです。
---
Shunichiro AZUMA in TOKYO.
コメント